タンスや食器棚には、安価な合板や MDF が使用されることが多いが、これらからアレルギーやホ ルムアルデヒドなどの有害物質が放散されることがある。東京都内の消費生活相談窓口には、収納家具が原因で喉や目が刺激を受けた等の相談が平 成 12 年度~21 年度の 10 年間で 149 件寄せられている。(図1) ホルムアルデヒドについての規制は、建材や造り付け家具に対しては建築基準法によ り行われているが、家具については存在しない。また、JAS(日本農林規格)や JIS(日 本工業規格)に対応した合板・MDF(中密度繊維板)等を使用することで低ホルムア ルデヒド等の表示を行っている製品もあるが、消費者には統一的な目安がないのが現状である。東京都の調査で家具を室内に設置し、1日後に、ホルムアルデヒドの室内濃度を測定したところ、室内濃度指針値(0.08ppm)を上回る商品が、30検体中6検体(20%)あった。特に、1検体は、指針値の4倍以上の濃度となった。そのうち、低ホルムアルデヒドである旨の表示(「低ホルム仕様」等)がされている家具では、10検体中1検体が室内濃度指針値を上回った。(ホルムアルデヒド:発がんの可能性が高い物質で、眼、鼻、のどなどを刺激し、アトピー性皮膚炎の原因物質の1つ。)インターネット通販などで購入した輸入ものの家具などには気をつけたい。